Review of Zoom Nikkor 75-300m F4.5-5.6 ニコンのオールドレンズビュー
あまり話題にならないレンズではあるが、ニコンが1989年から1999年まで製造販売した低価格(とはいっても7万円前後らしい)の望遠ズームレンズです。1999年から70-300mm f/4-5.6ED AF zoomに切り替えました。後者はプラスチック製で、重量(505g)も価格(アマゾンで2万5千円)も激減しました。
レンズ構成は11群13枚で、口径62mm、フードHN-24、重さ 850g、最短撮影距離1.5m、長さ197mm、三脚固定リング付です。
[2]によると、周辺減光とゆがみとも少ないです。シャープさは75mm側はかなりよくて、300mm側はF8に絞ってもやわらかいくらいです。フレアとゴーストはほとんどありません。AFの精度はいいが、遅くてうるさいです。
[1]によると、ニコンの300mmまでのレンズの中ではもっともよいほうだという評価です。ほかのレンズはOEMではないかという憶測もあるようです。
[9]によると、「ボディ内モーターの為、D5000番台、D3000番台クラスではAFが作動しません」。また、「パープルフリンジは盛大に出る」らしいです。
以下は参考リンク[7]のMTFテスト結果です。300mmF5.6のMTFは中央部でも75mmF4.5の半分近くになってしまいます。周辺ですと3分の1近くになってしまいます。
これを見るとかなりがっかりはしますが、実際使って見ると、思ったほど悪くないです。特にシャープフィルタをかけてあげると、かなり使えます。被写体にもよりますが、離れているものでしたら、300mmでもそれなりにシャープです。
以下の作品例はD800Eで撮影したもので、すべて手持ちで、Googleフォトによってリサイズされただけです。20数年経ってもこれだけ使えるのはニコンさんの技術に脱帽です!
評判通り75mm側のシャープさは抜群にいいです。300mm側は特に近い被写体の場合やわらかいです。でも離れていれば、300mmでもそれなりにシャープには写ります。
人によってこのレンズの使い方は違うが、動きの早い被写体にはあまり向いていないのは確かです。新しい同等の廉価レンズより大きくて重いです。VRもないので、暗い環境での撮影も得意ではないです。ただし、画質においては決して今の廉価レンズに負けていない上に、ISOを上げられるならば、少々暗いところでも問題なくいい作品を作れます。
たとえば参考リンク[10]では、Nikkor AF 70-300mm f/4-5.6 D ED(生産中止、中古1万5千円前後)の300m、F5.6でのMTFは確かに本製品より1300くらいから1600に改善されているが、F8以上においてはほぼ同等です。その代わり、色収差(Chromatic Aberrations)は本製品のほうはむしろ勝っています。サイズはで74x116mm、重さは505gですので、確かにより軽くてコンパクトです。
ウェブで検索した限り、海外のレビューは多いです。現にアメリカのアマゾンでは中古品でも180ドルくらいで出品されています。ジャンクやで程度そこそこのものを5千円で入手しました。
比較対象にはならないが、AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VRなんかと比較すると、本製品のメリットはサイズのコンパクトさと価格のやさしさでしょうか。このフルサイズ対応の300mm短焦点は重さ(755g)こそ本製品よりも若干軽いが、価格は20万円近くもします。開放は1段も明るいF4でありがたいが、サイズも「約89mm(最大径)×147.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)」と割と大物です。VRがつくとどうしても太くなります。
純正でなければ、シグマの「70-300mm F4-5.6 DG MACRO」(1万2千円くらい)はいい勝負でしょう。この価格でフルサイズ対応だと感心させられます!サイズは76.6x119.5 mmで、重さは540gです。このレンズでも、70側のシャープ差は一番よくて300mm側ではやはり甘くなるようです[11]。
タムロンの「TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A005)」(3万5千円前後)はシャープさに関してほかの製品と同じ傾向を持っています。全般的にはシグマと本製品よりいいように見えるが、300mmではやはり若干苦しくなります。でも廉価で性能で選ぶならこちらはお勧めでしょう。
DXフォーマット対応ならば、「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」(2万5千円前後)、「AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED」(6万2千円前後)、「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR」(7万円近く)などはあるが、あくまでもAPS-C機でしか使えません。
参考リンク
[1] Nikon 75-300 review and test report - Photo Test Center
[2] Nikon 75-300mm f/4.5-5.6 Review - Ken Rockwell
[3] 【第129沼】AF nikkor 75-300mm F4.5-5.6 分解清掃
[4] Ai AF 75-300mm F4.5-5.6S を運用してみた : DR DSLR DIARY
[5] AF Zoom Nikkor 75-300mm F4.5-5.6 実写例あり
[6] Nikon AF Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6 Monomaniac Garage
[7] Nikkor AF 75-300mm f/4.5-5.6 - Review / Test Report。詳細なテスト結果。75mm側の解像度はかなりよくて、300mm側は一気に悪くなってしまう
[8] Review: Nikon Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6
[9] Nikon AiAF Zoom NIKKOR 75-300mm F4.5-5.6S/Fマウント
[10] Nikkor AF 70-300mm f/4-5.6 D ED - Review / Test Report - Analysis PHOTOZONEによる後継製品との比較。確かに300mm側のシャープ差は改善されている評価結果
[11] Sigma 70-300mm f/4-5.6 DG Macro APO Reivew Imaging Resourceによるレビュー
[12] Tamron 70-300mm f/4-5.6 Di VC USD SP AF Imaging Resourceによるレビュー
レンズ構成は11群13枚で、口径62mm、フードHN-24、重さ 850g、最短撮影距離1.5m、長さ197mm、三脚固定リング付です。
[2]によると、周辺減光とゆがみとも少ないです。シャープさは75mm側はかなりよくて、300mm側はF8に絞ってもやわらかいくらいです。フレアとゴーストはほとんどありません。AFの精度はいいが、遅くてうるさいです。
[1]によると、ニコンの300mmまでのレンズの中ではもっともよいほうだという評価です。ほかのレンズはOEMではないかという憶測もあるようです。
[9]によると、「ボディ内モーターの為、D5000番台、D3000番台クラスではAFが作動しません」。また、「パープルフリンジは盛大に出る」らしいです。
以下は参考リンク[7]のMTFテスト結果です。300mmF5.6のMTFは中央部でも75mmF4.5の半分近くになってしまいます。周辺ですと3分の1近くになってしまいます。
(PHOTOZONEより引用) |
以下の作品例はD800Eで撮影したもので、すべて手持ちで、Googleフォトによってリサイズされただけです。20数年経ってもこれだけ使えるのはニコンさんの技術に脱帽です!
評判通り75mm側のシャープさは抜群にいいです。300mm側は特に近い被写体の場合やわらかいです。でも離れていれば、300mmでもそれなりにシャープには写ります。
f/8 1/1000 135 mm ISO 1250 |
f/8 1/1000 300mm ISO1250 |
f/8 1/5000 300mm ISO1250 10メートル以上離れているだろうか、 大きい野鳥ならそれなりに撮れている |
f/5.6 1/200 300mm ISO1250 より小さい鳥だと、やはりピントの甘さが目立つ フールサイズだと、焦点距離はちょっと物足りない AFが遅めだから、すばやく動く小鳥には苦手 |
f/8 1/2000 250mm ISO1250 |
f/8 1/2000 75mm ISO1250 |
f/8 1/400 135mm ISO1250 |
f/8 1/1250 75mm ISO1250 |
f/8 1/5000 300mm ISO640 ベストスポットではないが、鉄撮りして見た |
f/5.6 1/25 200mm ISO 640 放射冷中の富士山 |
f/10 1/320 300mm ISO3200 前ボケの効果。曇りで屋外 |
人によってこのレンズの使い方は違うが、動きの早い被写体にはあまり向いていないのは確かです。新しい同等の廉価レンズより大きくて重いです。VRもないので、暗い環境での撮影も得意ではないです。ただし、画質においては決して今の廉価レンズに負けていない上に、ISOを上げられるならば、少々暗いところでも問題なくいい作品を作れます。
たとえば参考リンク[10]では、Nikkor AF 70-300mm f/4-5.6 D ED(生産中止、中古1万5千円前後)の300m、F5.6でのMTFは確かに本製品より1300くらいから1600に改善されているが、F8以上においてはほぼ同等です。その代わり、色収差(Chromatic Aberrations)は本製品のほうはむしろ勝っています。サイズはで74x116mm、重さは505gですので、確かにより軽くてコンパクトです。
比較対象にはならないが、AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VRなんかと比較すると、本製品のメリットはサイズのコンパクトさと価格のやさしさでしょうか。このフルサイズ対応の300mm短焦点は重さ(755g)こそ本製品よりも若干軽いが、価格は20万円近くもします。開放は1段も明るいF4でありがたいが、サイズも「約89mm(最大径)×147.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)」と割と大物です。VRがつくとどうしても太くなります。
純正でなければ、シグマの「70-300mm F4-5.6 DG MACRO」(1万2千円くらい)はいい勝負でしょう。この価格でフルサイズ対応だと感心させられます!サイズは76.6x119.5 mmで、重さは540gです。このレンズでも、70側のシャープ差は一番よくて300mm側ではやはり甘くなるようです[11]。
タムロンの「TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A005)」(3万5千円前後)はシャープさに関してほかの製品と同じ傾向を持っています。全般的にはシグマと本製品よりいいように見えるが、300mmではやはり若干苦しくなります。でも廉価で性能で選ぶならこちらはお勧めでしょう。
DXフォーマット対応ならば、「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」(2万5千円前後)、「AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED」(6万2千円前後)、「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR」(7万円近く)などはあるが、あくまでもAPS-C機でしか使えません。
参考リンク
[1] Nikon 75-300 review and test report - Photo Test Center
[2] Nikon 75-300mm f/4.5-5.6 Review - Ken Rockwell
[3] 【第129沼】AF nikkor 75-300mm F4.5-5.6 分解清掃
[4] Ai AF 75-300mm F4.5-5.6S を運用してみた : DR DSLR DIARY
[5] AF Zoom Nikkor 75-300mm F4.5-5.6 実写例あり
[6] Nikon AF Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6 Monomaniac Garage
[7] Nikkor AF 75-300mm f/4.5-5.6 - Review / Test Report。詳細なテスト結果。75mm側の解像度はかなりよくて、300mm側は一気に悪くなってしまう
[8] Review: Nikon Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6
[9] Nikon AiAF Zoom NIKKOR 75-300mm F4.5-5.6S/Fマウント
[10] Nikkor AF 70-300mm f/4-5.6 D ED - Review / Test Report - Analysis PHOTOZONEによる後継製品との比較。確かに300mm側のシャープ差は改善されている評価結果
[11] Sigma 70-300mm f/4-5.6 DG Macro APO Reivew Imaging Resourceによるレビュー
[12] Tamron 70-300mm f/4-5.6 Di VC USD SP AF Imaging Resourceによるレビュー