Photography Memo - Elements - Shadow 写真撮影メモ:写真の要素 - 影

 写真撮影には構図、光、明るさ、色、ボケという重要な要素はあります。点光源(例えば晴天の太陽)の場合、その光(つまり光源)の位置や角度により、被写体に影ができます。
 逆に、曇りの日には、明るい点光源がないため、影はほとんどありません。
 ところで、実世界が三次元ではありますが、写真に収めると、二次元になってしまいます。
 二次元の写真で元の三次元情報を表現・再現するには、人間の視覚特性を利用する必要があります。
 人間の(三次元情報に関する)視覚は両眼の視差によって実現されます。つまり、一つの目を閉じて見ると、物事は三次元的に見えにくくなります。裁縫用の針に糸を片目で通してみれば分かります。
 しかし、片目を閉じれば、物事は二次元にしか見えないかというと、そうでもありません。実は日常生活においての視角は、視差と同等に重要なのは、物事の形状や向き、相対的な大きさなどの情報です。また、様々な「常識」も働いています。バスケとボールらしいものを見れば、自然に球体であるはずだと仮定してしまいます。実はそれによって、様々な錯覚[1]も生まれます。
 話は長くなりましたが、二次元の写真で三次元の情報を再現するには、人間の視角にとって重要な要素をもっともよく記録すればよいです。
 その一つは、今回のテーマである影です。
 美術の講義でデッサンをする人、あるいはその作品を見たことのある人なら分かりますが、鉛筆一本で、黒一色の線分を、その濃淡と密度で、見事に三次元の物体を表現できます。それは、物事の形の他に、影や反射などによる濃淡の変化を正確に表現できたからです。
 以下の作品は被写体の形を一番協調できる側光[2](頂側光を含む)の条件で撮影したものです。曇りの日に撮影だ同じものはありませんが、雲の条件で撮影したものは、もっとのっぺらぼうに見えるはずです。  

特に出窓はよく分かる
大門から汐留を眺める
高層アパート。特に出窓は影によって強調されている
是也若干趣旨が違うところはあるが、
影の形と窓の影の向きによっても奥行き感を出せている
これは構造物によって作られた影の例
天井にある建物の構造をこれで分かるうえに、
手前にある退屈な空間を建物と一体化させた

参考リンク:

  1. 錯覚・Illusions
  2. 光と影
  3. Seeing & Photographing Shadows: Using A Key Visual Element魚拓キャッシュ

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