A.Schacht Ulm Travenar R 50mm F2.8 (M42) シャハト・トラベナー・オールドレンズレビュー

A.Schacht Ulm Travenar R 50mm F2.8は旧西ドイツSchacht(シャハト)社の生産したレンズが生産したレンズで、クールトーンな発色を持ち味とされています。

構成はテッサータイプで三群四枚です。絞りは2.8から22まで、絞り羽は6枚構成です。最短撮影距離は50cmです。マクロスケールは1:1だそうです。フィルター径は49mmです。画角は46度で、コーティングはSCです。ゼブラ鏡胴です。絞り冠に連動して被写界深度のゲージ表示が変化します。

海外での平均価格は100ドル前後です。日本では8千円前後という人もいるが、程度によってまちまちでしょうか。

創業者のAlbert Schacht(アルベルト・シャハト)はCarl Zeiss(1919-1926 運営管理業務), Ica AG, Zeiss-Ikon, Steinheil(1939-1946 テクニカルディレクター)などを転々と移籍したそうです[1][2]。1948年ミュウヘンでA.Schachtを設立。六年後1954年でウルムに会社を移しました。 そのため、シャハト初期のレンズにはミュウヘン、途中からウルムに銘板も変わってます。1970にシュナイダー社に吸収されるまで、シャハトが存在したのはわずか22年(1948ー1970)です[2][6]。[4]によると、A. Schacht は1959年創業です。レンズの製造は1959年からです[3]。

[1]によると、「このメーカーのレンズの描写には、Schneider(シュナイダー)やRodenstock(ローデンストック)のレンズと同様に青に転ぶ傾向があり、温調(ウォームトーン)な発色特性を持つオールド・ツァイスやフォクトレンダー、シュタインハイルらとは対極的な立場を築いている。」

同社が製造したレンズは以下のものもあります。
  • A.Schacht Ulm M-Travenar R 50mm F2.8(M42)(等倍マクロ)
  • A.Schacht Ulm Travenar90mm F2.8 R (M42)
  • A.Schacht Ulm Edixa-S-TRAVELON-A 50mm/F1.8 (M42)
  • 35mm f2.8 Auto Travegon-S
  • 85mm f2.8 Auto Travenar
  • 135mm f3.5 Auto-Travenar R
  • 200mm f4.0 Tele-Travelon (preset)
  • 100mm f3.3 Travegar (short-mount)
  • 50mm f2.8 Macro-Extenar
  • 5mm f2.8 Auto S-Travegon R
  • 135mm f3.5 Auto Travenar R
  • 200mm f4 Tele-Travelon R (preset)
対応マウントはEXAKTA, M42とLeica Lがあります[5]。

TravelonとM-Travenarは個体数が少ないため、入手困難なブランドです。

以下の作品例はFujifilm XT-1で撮影したもので、JPEG出力のままです。確かに、分かりやすいクールトーンの傾向を見られます。色合いはともかく、APS-Cセンサーには十分すぎる解像力を持っています。開放が2.8ですので、暗いところでの撮影も対応しやすいです。
夜の靴屋さん
中途半端なボケで絞り羽をはっきり判別できる






歌舞伎町のようなところでの夜景撮影
証明は余りないところでも人がはっきり写ってしまうので肖像権に要注意
うれしい悲鳴ではあるが。。。



クールトーンでそらはより青く写る

参考リンク
[1] A.Schacht Ulm M-Travenar R 50mm F2.8(M42) シャハト マクロ・トラベナー
[2] A.Schacht Ulm Travenar 1:2.8/50 R
[3] Schacht Exakta Lenses
[4] Schacht - wikia wiki
[5] A.Schacht Ulm Edixa-S-TRAVELON-A 50mm/F1.8 (M42)
[6] Schacht

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