Review of ASAHI SMC TAKUMA 50mm F1.4 旭光学オールドレンズレビュー

これは、オールドレンズの中で良く知られるもので、ウェブで検索すると数多くの撮影体験記を見つけられます。1964年ごろから旭光学がスーパータクマーとして製造したものです。

因みに、このレンズは同時代に製造されていたいくつかのものと同じでアトムレンズ放射能レンズ)でもあります。その放射能はコーティングに使われたトリウム(光学特性が飛躍的に向上するとされる)によるものです。他のアトムレンズの例はCarl Zeiss Jenaのzebras、FUJINON 50MM F/1.4等をあげられます。

上記のアトムレンズの放射能を計測した結果はこちら(英語)で見られます。
10センチでの計測結果はCARL ZEISS JENA 1474cpm(0.00382mSv/h)、SMC TAKUMA 1396cpm(0.00382mSv/h)、FUJI PHOTO FILM 2230cpm(0.00556)で、3cmでは7044cpm(0.0174mSv/h)、9042cpm(0.0226mSv/h)、11068cpm(0.0287mSv/h)です。
計測時点のスイスでは、年間自然から4–5 mSv(0.00057mSv/h)を受けているそうです。放射能環境での作業者は被爆量を20mSv以下をとされています。つまり、日ごろ自然から受けた被爆量の10倍前後という計算です。
上記の数字を総合すると、確かに取り扱いに注意に値する製品です。TAKUMAはレンズ軸の前後方向は特に強いので、長時間に至近距離での使用は避けたほうがよさそうです。

別の比較としては、[2]によると、「胸部X線撮影が100~300μSv/h、CTスキャン撮影が7000~20000μSv/h、原子力関連業務につく人が1年間にさらされてよい放射線の限度が50000μSv/hと言われる」。

アトムレンズは経年によって黄変する特徴があります。

さて、安全性はここまでとして、レンズとしての性能を見ていきたいです。

SMCはsuper-multi-coatedの略です。

TAKUMA 50mm F1.4は8枚構成と6/7枚構成(1965年より)という二つのバージョンがありました。[2]によると、8枚構成は初期型(製造期間1年余り)で、アトムレンズではありません。初期型のSuper TAKUMAの特徴は以下の通りです。
 ①銘がSuper-Takumar 1:1.4/50 Asahi Opt. co.の順になっている。
 ②絞り環数字6の字体が丸みがない。
 ③重量が245g (242gというところもある)

M42マウントのレンズとしては一番明るいです。

最短撮影距離は45cmです。

マウントはM42とペンタックスとありました。

ざっくり言いますと、評判通りレンズはシャープで、解像度が高くて、ボケも綺麗です。弱点といえば、スーパーコーティングの割りに、フレアは酷い方です。

参考リンク[1]によると、ボケはPancolarかUltronより劣る評価もあります。

以下の作品例はFujifilm X-T1にM42マウントアダプターを付けて撮影したものです。後処理なしで、JPEG出力をそのままアップロードしました。








日本では、程度によりますが、3千から1万5千円で入手できます。例えば、Amazon日本には1万以上の出品があります。Ebayなどでは100ドル前後で販売されています。

所持しているのは、後期のゴム巻き判で6/7枚構成のはずです。

歪曲の少なさを分かる被写体

参考リンク
[1] Asahi Pentax Takumar 50mm 1.4
[2] とってもアレゲな Super Takumar 50mm F1.4
[3] アトムレンズでない(?)タクマー50mm f1.4
[4] 「PENTAX交換レンズ」についての能書きあれこれ

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