All about Macro Photography マクロ写真撮影の話

マクロ写真撮影とは

 「マクロ写真撮影」とは小さい物を大きく写す撮影のことです。

 写す大きさによっては、ズームレンズでも十分ですが、一般的にいう「マクロレンズ」は、被写体を撮像素子上で実物と同じ大きさに写せるものを指します。これは撮影倍率が「1倍」、「1:1」あるいは「等倍」であるとも言われます。

 普通のレンズでも、焦点距離によっては、最大撮影倍率がそこそこ大きいなものあり、被写体にある程度接近できます。このようなレンズを使って、被写体を大きく映す撮影は、「クローズアップ撮影」とも言います。
ネコハエトリ Carrhotus xanthogramma
Nikon D500 焦点距離180mm マクロ
f11 1/1000 ISO1600 露出補正+1.0

 レンズの最大倍率は、レンズの最短撮影距離によって変わります。短いほど最大倍率が高いです。

 [7]によると、「レンズの最短撮影距離とは、被写体にピントを合わせることができる最短の撮影距離のこと。最短距離より被写体に近いと、オートフォーカスも合いません。」勿論、最短距離より被写体に近いと、マニュアルフォーカス(MF)も合いません。

マクロ撮影撮影に必要なもの

 マクロ撮影撮影をするには、レンズキッドに付属するレンズでは最大撮影倍率はあまり高くなく、被写体をそれほど大きく移せません。それでも必要最小限の投資でマクロ撮影を行えます。それは、マクロエクステンションチューブか、クローズアップレンズ を使うことです。予算が許されるならば、より楽に使えて高画質を得られるマクロレンズの購入をお勧めです。

クローズアップレンズ

 [5]によると、「最短撮影距離が約1m位の望遠ズームレンズにはNo.1~3、最短撮影距離が30cm以下の標準ズームレンズにはNo.3~5がおすすめです。さらに大きく撮るには、No.10もあります。」つまり適切なクローズアップレンズによって、最短撮影距離を縮めることができ、被写体をより大きく移すことができます。

 [6]によると、「NiSiから発売されている「クローズアップレンズNCキット」に含まれるクローズアップレンズは、一般的なクローズアップレンズのクオリティを超える性能で定評がある」

 さらに、「一般的なクローズアップレンズはいわゆる虫眼鏡のように、1枚の単レンズで構成されていることが多い。NiSiのクローズアップレンズは1群2枚のアポクロマート構成で、高品質な望遠レンズなどに使われる特殊低分散ガラスも使用。色収差を極限まで補正したという。色のにじみが少なく、かつマスターレンズの描写力を損なうことのない高性能を実現しているのだ。つくりもしっかりしており、ずっしりした重みがよくあるクローズアップレンズとは異なる品質を期待させる。」

 [6]に掲載された実際の撮影例をみても、確かにマクロレンズにも負けないくらいの写真を撮影できています。ただし、価格も「一般的なクローズアップレンズ」より高めです。

NiSi クローズアップレンズ NC キット 77mm」を17000円くらいで販売されている例もあります。

マクロエクステンションチューブ

接写リング」とも呼ばれる「マクロエクステンションチューブ」は、レンズとカメラ本体の間に取り付けられるものです。マクロ撮影には一番低予算でできる方法です。

 チューブは筒ですので、名前の通りただの筒です。普通は長さの違う3つセットで、それぞれの長さ単体で使うか、その組み合わせで使います。目指したい撮影距離や撮影倍率によって選択します。

 マクロエクステンションチューブを取り付けることによって、最大撮影倍率は大きくなりますが、フォーカスが合う範囲が極端に狭くなります。つまり、どんなにフォーカスリングを回しても、ピントの合うところから遠いものでも近いものでも全く合いません。その結果、ピントも非常に浅くなります。

 [8]によると、「広角レンズでは補正が難しい像面湾曲が顕在化する」そうです。つまり、広角レンズにはあまり向かないです。それでも日の丸に近く、周辺はボケた日の丸に近い構図であれば、問題ありません。

 マクロエクステンションチューブは、マクロを含むすべてのレンズに取り付ける音ができ、それぞれのレンズの最大撮影倍率をさらに大きくすることができます。

 [9]によると、ズームレンズの場合、広角がはの最短撮影距離が一番短くて、望遠側となると、被写体からより遠く離れることができます。

マクロレンズ

 古いレンズですと、最大撮影倍率が1/2以上のものであれば、マクロレンズと呼ばれることが多かったです。最近はマクロレンズと言えば、最大撮影倍率はほぼ確実に1:1です。

 [11]によると、「マクロレンズを選ぶ際にまず気にしたいのが、「最短撮影距離」と「最大撮影倍率」です。」さらに、「最短撮影距離とはカメラの「撮像素子から」被写体までの距離のこと。レンズ先端部(鏡枠部)から被写体までの距離は「ワーキングディスタンス」と呼ばれ、最短撮影距離とは別物です。長さのあるレンズの場合、最短撮影距離が短いほどレンズ先端からの距離もより短くなるので、注意が必要です。」

 マクロレンズはほぼ全部短焦点レンズで、接写の他に、普通のスナップショットにも使えます。つまり、ピントの合う範囲は、最短撮影距離から無限遠までになります。

 焦点距離が長ければ、最短撮影距離も長くなり、被写体から離れて撮影することができます。これは特に昆虫などの生き物を撮影するときに有利になります。また、焦点距離が長いほどピントの浅くなるので、ボケはよりきれいになる代わり、ピント合わせもより厳しくなります。

ƒ/7.1 1/1250 180 mm ISO 3200
生産中止の製品だが、1800mm F2.8のマクロレンズ
定価20万超え

 マクロレンズの価格は大体数万円から十数万円までです。

マクロ撮影の注意点

■早いシャッター速度を使う
被写体が大きく写り、細部がはっきり見えるので、手振れの影響が出やすいです。それを防ぐために、なるべく早いシャッター速度を使うべきです。

■小さい絞り値を使う
マクロ撮影の場合、被写界深度が極度に浅いので、なるべく多くの詳細を映したい場合、なるべく小さい絞り値、例えばF11等を使うべきです。

■露出補正
被写体に限りなく接近し、被写体が大きく映る場合、自動測光が不十分(アンダー)の傾向があります。撮影の結果を確認しながら、適切な露出補正を行う必要があります。

参考リンク
[1]花のマクロ撮影にチャレンジしてみませんか?
[2]マクロ撮影ブログーKenko Tokina
[3]花・クローズアップ!マクロ写真の教室
[4]小さな世界を写す | デジタル一眼カメラ α(アルファ)で写真撮影を楽しむ

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